交歓学生として天照郷からやってくる俺の幼馴染


六年ぶりに出会うあいつは、確かにあの頃の面影を残していた





再会







「ホント久しぶりだな、八雲!」
「うん、久しぶり」
 この月詠学院の中では少し異質にも見える天照館高等学校の学生服。それを着こなした少年を前にして、結崎亮は満面の笑みを浮かべる。
 VTルームで再会してから、学院を案内するために二人は廊下を歩いていた。
「ちゃんと元気にやってたか?」
「うん。亮は相変わらず元気だね。昔から全然変わってない」
「なんだそりゃ!俺が成長してないって言いたいのか?」
「そ、そうじゃなくて……」
「へへっ。分かってるって!冗談だっての」
 相変わらずからかい易い幼馴染を前にして、久しぶりの感覚に結崎の頬も緩んだ。八雲もまた同じように、六年ぶりに会った幼馴染との再会を喜んでいる。
「いろいろと話したいことはあるんだけどな……」
「そうだね。亮が東京で何してたのか聞きたいよ」
「それを言ったら俺だってお前が天照郷で何してたか知りたいぜ」
「はは。けど、時間はいっぱいあるよ。1年間僕はこっちにいるんだし」
「そうだよな。何も急がなくたっていいんだ」
 六年間の話をするんでは、時間も1日あっても足りやしない。これから1年間は東京にいるのだから、話もそのうちでいいだろう。結崎はそう思ったが、それと同時に1年しかいないことに少し寂しさを感じた。
「そっか、3年になったらお前も向こうに帰っちまうのか」
「だけどまだ1年もあるじゃん」
「あぁ。この1年いろいろと思い出作ろうぜ!」
「うん!」
 心地いい返事を耳にして、結崎は喜んだ。その瞬間から頭の中で、夏や冬などをどうやって過ごすか考えるほどにも。
「それで今はどこに向かってるの?」
「ん?とりあえずお前に紹介したいやつだいるんだ」
「友達?」
「おぅ!俺と同じクラスで、こっちの親友でもある館脇道文。SGコースのメンバーでもあるぜ」
「そっか。でも亮と親友なんてしてたら、その人苦労してるんだろうね」
「どういう意味だよ!」
 心外だとばかりに、結崎は口をとがらして八雲を軽く睨んだ。それを受けて笑いながら八雲も軽く謝る。しかし結崎には自覚がないが、八雲の言うことも間違ってはいなかった。
 そこでふと八雲は廊下の窓から見える外を見下ろした。
「何見てるんだ?」
「ちょっとね。ここがこれから1年間過ごす学校なんだなぁと思って」
「あぁ……。いいとこだぜ、この学校は」
 その窓から見えるのは全景とは言えないが、中庭などなら軽く見渡すには十分だった。今は授業中の時間でもあるからそこに人はいなかったが、きっと休み時間になると生徒たちがたくさんいるのだろう。
 そんな光景を浮かばせながら、八雲はこれからの生活に不安と期待を寄せた。
 結崎もまた想いに耽る幼馴染を見ながら、去年とは違った1年になることを予感してならなかった。






 八雲、本当に再会して俺は嬉しいんだぜ


 これから1年間、よろしくな